保険の役割は単純明快です。万一のときに経済的な損失や負担を相殺、あるいは軽減するために備えるのが保険であると思っております。
ところで皆さんはどんな目的で貯蓄されていいるのでしょうか?これといった目的はなく、ただ漠然とした万一のときのために貯蓄されているのでしょうか?
目的のある方なら、住宅購入の準備だったり、子供の教育資金であったり、老後の備えであったり、そうした将来設計があるはずです。そんな大切な貯金が万が一の時に取り崩すことになれば、当然、本来の目的に大きな影響が出ると思います。入院費用に使ったから住宅の購入を見合わせるとか、子供の受験を延期するとかできませんよね?
医療に絞って言わせていただくと、疾病や災害で入院が発生すると、通常の生活費(入院しているからと言って住宅費用が無くなったりその他の支払いが無くなったりはしませんし、家族を扶養していればその生活費は減ることは無いですよね?)にプラス医療費の出費が発生し、仕事を長期で休業すれば収入も減少します(自営の方の場合収入が途絶える可能性が高いです)。精神疾患などで入院が長引いてしまった場合はなおさらです。
貯蓄を取り崩すとその貯蓄の目的の達成に影響してしまいます。病気や怪我は、いつそれが起こり、どのくらいの期間で、何回起こっていくら必要になるかは予測できません。医療費をいくら出費しても全く影響がないくらいの貯蓄をお持ちであれば損得で考えて保険は必要ないかもしれませんが、そうでないから保険に入るのではないでしょうか?
医療保険は必要ないという意見があるのは知っています。前述したとおり、貯蓄のある人なら少々の医療費なんて問題ないでしょう。
「医療保険が不要な6つの理由とそれに対する反論」という記事を拝読しましたが、ここでもある程度の蓄えと公的な医療制度があれば保険は要らないと書いてあります。しかし「完全に必要ない」という訳ではなく、人によっては必要で、たとえば貯蓄があまりない人、どんな病気にかかるか予測できないから長期入院には備えたい人など、個々のケースによっては役に立つのではと指摘されています。
積み立ては積み立てた期間分だけのお金しか用意できません。しかし保険は加入した瞬間から決められた金額を受け取ることが出来ます。「貯金は三角、保険は四角」と言いますが、私は経済的な合理性が高い金融商品であると信じております。もちろんリスクに対する考え方・備え方は一つではありませんので、絶対これが正しいと言うつもりもありません。
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